2021.11.22

不室屋の麩料理

伝統と変化が共存する金沢の街並みと同じように、麩を活用した料理も、治部煮をはじめとする郷土料理にとどまらず、新たな可能性に満ちている。
人々の健康志向の高まりに伴い、和食への注目は国際的な広がりも見せるようになった。古くから精進料理の素材として親しまれてきた麩だが、近年では乳・卵製品を口にしない菜食生活を送る人々にとって、その原料であるグルテンは馴染みのある食材ともなっている。

かしわの治部煮

金沢の郷土料理の代表格。
定番は鴨肉だた、不室家では代々、かしわ(鶏肉)を使った治部煮が作られてきた。
あっさりとした味わいで、麩が主役になっている。
 

車麩甘酢あん

もどした車麩を焼くと歯応えのある食感になることを利用して、肉の代わりに車麩を使った中華風の創作料理。
ボリュームがあった豪華なうえ、ヘルシーな仕上がりになる。
 

南瓜麩いとこ煮

冬至に南瓜や小豆を食べることで無病息災で過ごせるという。
不室家では南瓜を練りこんだ生麩と小豆を組み合わせ、なめらかで食べやすい料理に仕立てている。
 

お煮しめ

正月や祭礼に欠かせないハレの料理。
長時間加熱しても食感が損なわれない「すだれ麩」を使うのが金沢流である。
出汁や具材の旨味が麩にしみ込んで、おいしくいただける。